チョッとイタリア気分1

HIRANO HIROFUMI
I
ZUCCHERI E STUZZICADENTI AL BAR
バ−ルの砂糖とサムライ爪楊枝
CHE COSA
PRENDI ?
イタリアに行かれた人なら必ず、買い物疲れでチョッとバ−ルにお茶しに立ち寄る人も多いはず。僕の場合は、地方へ出向いたら、まず、ホテルへチェックインする前にわざわざその町のバ−ルを目指す。
地方には地方の文化があり、その町を知るにはその町のバ−ルを訪ねるのが一番手っ取り早いような気がする。そこでは、もっと耳寄り情報を聴ける可能性だってある。たぶんド田舎の町のバ−ルであれば、「2丁目の誰々さんは、いつも深夜に帰ってくるが何をしているのかね〜」みたいな井戸端会議をしていることしばしばである。どこの国も人のうわさ話が一番おもしろいのだろうが、言われている本人はたまったもんではない。まっ、皆さんも人の陰口だけは程ほどに…。
ところでそんなバ−ルなのだが、チョッと都会の小ジャレたところに行くと、カウンタ−の上にアレッシ−社製のものだと思うが、シルバ−製のたいそう立派な楕円形の砂糖入れをよく見かける。これが何とも言えないステキなもので、たまにシュガ−スプ−ン入れが両脇に付いていたりしてスプ−ンを手に取ると自動的に蓋が開く仕組みになっているからおもしろい。説明はともかく、実際どうカッコイイのか見なきゃわからんのだが、とにかくカッコ良イ。意外とイタリア物の物欲の強い者としては、使いもしないのにすぐ欲しくなり、近くの金物屋なんかに駆けつけて物色が始まるのだ。また、この金物屋が面白くて、1時間あまりハマルのは病気なのかナ〜なんて思う。田舎の金物屋には、50年代か60年代のピクニック用小型魔法瓶なんかもあったりする。いわゆる売りきれなかったデットストックである。これは、もう、買ってくれと言わんばかりである。
ある日、日本で60年代のとてもレア−なシチリアマフィア映画を見る機会があり、ある画面でその真っ赤な魔法瓶がテ−ブルの上においてあった。「えっ。まさか!」と近くによってみると、まったく買ったものと同じものである。時代が時代ながら、あり得そうであり得ないこういう偶然の感動は自分にしか解からないものである。
まぁ、買ったものを人に自慢するとキリがないのでやめておきます。
ところで、その小ジャレたシルバ−製の砂糖入れも時期に廃止になるという噂を聞いた。「法律なんてへっちゃらだい」なんて思うイタリア人もいるだろうが、どうやら衛生上の問題であるらしいのだ。
バ−ルのカウンタ−でエスプレッソ・ドッピオを嗜めるのが好きな僕にはチョッと残念である。
お楽しみの視野を今度はどこへ持って行こうかと思いきや、気づいている人もいるであろうが、立派な入れ物に変わり、エスプレッソ用の小さな砂糖の紙袋に目がいったのである。それも同じパタ−ンの種類でなく、それぞれの製造元がデザインした様々なグラフィックの図案というか、さすがデザインの国イタリアなる色鮮やかさに驚かされた。中身の砂糖は同じ癖に、袋のデザインによって今日のエスプレッソに入れるものは、どれにしようかな〜なんて迷ってしまうのもまた楽しい。カフェマッキア−トやら、カフェコレットやら、こんなものもある、あんなものもあるなんてどれにしようかとメニュ−を見ている暇もないぐらい、これだけでも十分楽しめるのである。
さらに、カウンタ−上には、オリ−ブや、チポッリ−ニと呼ばれる小さなタマネギなどをさしている爪楊枝にも驚かされた。何とこれが一本一本包装されていて"サムライ"の漫画が美しく描かれているではないか。大そう御立派なロゴである。裏を見るとどうやら製造元はベルガモらしいのだが、ということは、北部のバ−ルにはこのパタ−ンのデザインが多いのだろう。ロ−マあたりだとどういうデザインなんだろう?
ちょっと気になってしまうのである。
そこまでやるのか爪楊枝。されどイタリア。一々うるさいのである。
地域変わって"KOBE"と書かれたものも見つけてしまった。しかも商品登録@まで書かれてある。そう言えば、爪楊枝というものは世界に広まった日本が誇る伝統文化であったことを思い出す。これもまた、虫唾がムズムズしてきて、近くのス−ペルメルカ−トなるセブンイレブンで見事ゲットしてしまうのだった。イタリアに行ってまで、爪楊枝をケ−スで買うようなアホ−なやつは、自分以外未だ知らない。次回の旅もまた、新しい発見を、イザ求めてバ−ルを探し歩きゆかん。
  
 都会の由緒あるイタリアのバ−ルは、カウンタ−越しに"バリスタ"と呼ばれる専門職が立っており彼らを要請しているエリ−トの学校すらある。卒業生なのであろう完璧に達した50〜60歳ぐらいの親父様方が、とてもうまいエスプレッソを作ってくれるのである。それだけを楽しみに、ブランド品を買いあさることの時間を費やすより、モット、楽しいイタリアがそこにある。                                    


                                             





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